コラム

COLUMN

【今の若者に自己肯定感が低いと言われる理由】― 自己肯定感の正しい理解と、今日からできる育て方 ―

学習の心構え

「若者は自己肯定感が低い」
この言葉は、ここ10年で急激に聞かれるようになりました。

しかし、なぜ低いのか?
そしてどうすれば高められるのか?

実は多くの人が、
自己肯定感(self-esteem)と自己効力感(self-efficacy)を混同しています。
この2つは似ていて全く違う概念です。

まずは、その違いを正しく理解することが重要です。

今の若者の自己肯定感が低いと言われる原因

① SNSによる比較の嵐(無限比較地獄)

SNSは「他人の成功の切り抜き集」。
若者は常に、
• 友達のリア充
• 才能ある同世代
• 美男美女の投稿
• 勉強も仕事もできる人のストーリー

これらを見て“自分との差”を感じてしまう。

結果、
「私はダメだ」
「自分なんて…」
という否定が積み重なる。

② 正解社会で育った“間違いを恐れる文化”

受験も学校も「正解」を求められる文化が強い。
間違えることに慣れていない若者は、
• 失敗=自分の価値が下がる
• 間違い=恥
と感じやすい。

これは自己肯定感を大きく下げる。

③ 承認の分散(誰も深く褒めてくれない社会)

昔は家族・学校・地域の大人など、
「自分を認めてくれる存在」が複数あった。

今は、
• 核家族化
• 忙しい親
• 他人との接触減少
• 過度な個人主義

→ 深く承認される経験が減った。
褒められなければ自己肯定感は育たない。

④ 努力の成果が出るまでの“遅延”が大きい時代

昔は努力すると成果が見えやすかった。
しかし今は、
• 仕事の成果は可視化されづらい
• 将来が見えにくい
• 成果までの距離が長い

→ 「努力しても意味ない」と感じてしまう。

これが自己肯定感をさらに低下させる。

自己肯定感と自己効力感の違い

【自己肯定感:Self-esteem】
→ 自分という存在を価値あるものだと思える力

例:
• 「自分はダメじゃない」
• 「失敗しても自分の価値は変わらない」
• 「生きる意味がある」

人格そのものに関する感覚。

【自己効力感:Self-efficacy】
→ 自分は“できる”と思える力(行動に対する自信)

例:
• 「勉強したら点を伸ばせる」
• 「練習したら上手くなる」
• 「挑戦すれば結果が出せる」

つまり、
“何かを達成する能力がある”という感覚。

自己肯定感を高める具体的な方法

ここでは教育現場でも使われる「再現性の高い方法」を紹介します。

① 無条件の承認を与える(存在価値の保証)

行動や成績ではなく、
「あなたはここにいていい」
を伝える。

例:
「いつも頑張っていて偉いよ」
「あなたの考えを聞けて嬉しい」
「結果がどうでも、応援してるよ」

これは子ども・大人問わず最重要。

② “できたことノート”を書く(小さな達成の見える化)

自己肯定感は「できた経験の積み重ね」から育つ。
• 今日できたこと
• 努力したこと
• 小さな成功

これを毎日書くと、
自分を認める力が自然と高まる。

③ 他人と比べる習慣をやめる(比較の断捨離)

• SNSの整理
• フォローする人を絞る
• 比較癖に気づいたら“ストップ”と言う

比較対象が減るだけで、
自己肯定感は一気に上がる。

④ 感情を否定しない(自己否定の連鎖を止める)

落ち込んだら落ち込んでいい。
焦ったら焦っていい。

感情を押し殺すほど、
「こんな自分が嫌だ→価値がない」
という思考に陥る。

ありのままを受け入れることが、
自己肯定感の土台になる。

⑤ できないことより “できている部分” に目を向ける

自己肯定感が低い人は100点中の“1点の失敗”を見る。
高い人は“99点の成功”を見つける。

焦点を変える練習をすることで、
自分への評価が緩む。

自己効力感を高める方法(行動への自信を育てる)

① 小さく成功する(ベビーステップ)

• 5分だけ勉強
• 1ページだけ読む
• 1回だけ話す

成功体験が効力感の源。

② ロールモデルを見る(似た状況の成功例)

「自分と近い人でもできている」
これが効力感を一気に上げる。

③ フィードバックの質を上げる

• どう改善したか
• 前よりどこが良くなったか

具体的なフィードバックは、行動の自信に直結する。

まとめ:若者に必要なのは「自分を否定しない教育」

今の若者が自己肯定感を失っているのは、
時代が原因であり、本人の責任ではない。

必要なのは、

● 存在としての価値を認める「自己肯定感」

● 行動への自信を育てる「自己効力感」

そして、
これらを周囲の大人が正しく理解し、
若者の“心の土台”を育てること。

アルファーションが目指す教育も、
まさに 「学力 × メンタル × 自己肯定感」 の総合教育。

若者が自分を肯定し、
自分の力を信じ、
未来に挑戦できる社会を一緒につくっていきましょう。